負担付贈与とは
相続税対策として生前贈与をする方は多いですが、負担付贈与(ふたんつきぞうよ)をご存知ですか?
生前贈与の一種ですが、受贈者(贈与を受ける方)に一定の債務や責任を持たせるものを「負担付贈与」といいます。
お互いが安心できるように契約書は欠かさずに。
負担付贈与は民法上の契約
負担付贈与について、主要な部分を民法より引用します。
(贈与者の担保責任)
贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。(第551条)
(負担付贈与)
負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。 (民法第553条)
「双務契約」とは民法で13種類が規定されていますが、要するに当事者同士がお互いに債務を負担する、ということです。
私たちは日常的にお買い物をしますよね。商品を手に入れる代わりに、対価としてお金を支払います。これを民法で売買契約と言いますが、同様に、「贈与する代わりに何かを負担してもらう」のがここで言う双務契約になります。
債務を負担する場合
例えば、同居している家族に住宅を贈与するというケースでは、住宅ローンが残っていることが少なくありません。その場合は住宅とともに、残ローンの負担を負うのが一般的であり,受贈者が残りのローンを払うことがあります。
介護等を負担する場合
これも比較的多いケースです。自身の介護を特定の子に依頼し、それを遂行してもらう代わりに贈与をします。これは一度にまとまった額を支払うのではなく、月々いくら、一年にいくらといった形で贈与されることが多いですね。
最近ではペットの世話なども
ここ最近で増えているように感じるのはペットのお世話を依頼するケースです。被相続人の死後に、残されたペットを飼って面倒を見てもらうなどという内容ですが、これは「負担付贈与」の中でも、被相続人の死後に発生することなので「負担付死因贈与」となります。
いずれも契約書を必ず作成しよう
これらは多くが親子の間で行われることなので、つい契約書などを作成せず口頭だけで済ましがちです。
ですが「言ったのにやってくれない」「そこまでとは聞いていない」などというトラブルに発展しやすいものです。
赤の他人ではないので一度トラブルになるととても修復が難しくなってしまうので、最初に必ず契約書を作成し、お互いに合意をするようにしましょう。
どのような負担に対する対価が必要か、契約書の内容は、など、細かい部分はできるだけ法律の専門家に任せてしまった方が、万が一のトラブル発生時でも対応してもらえるので安心です。
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