生前贈与のメリットと注意点について
「相続税より贈与税の方が安いと聞いてるので生前贈与をしたい」という方がいらっしゃいます。おっしゃるように、生前贈与には様々なメリットがあります。しかし一方で、気をつけるべきことも当然あります。
今回は生前贈与について説明していきます。
家族の良い関係を維持していくためにも、気を配りたいものです。
生前贈与とは
生前贈与とは、簡単に説明するとこのような内容です。
生前贈与とは
被相続人が死亡する前に、自分の財産を人に分け与えることを指します。
生前贈与が注目されるようになった背景に、平成25年度に、贈与税の税制改正がなされたことがあります。
シニア層が保有する資産を早めに若い世代に渡すことで経済の活性化を促すことを目的にこの贈与税の改正が行われた結果、「相続税よりもお得な税」になったのです。
▼詳しくはこちらをご覧下さい。
生前贈与を上手に利用しましょう | 法律事務所DUONコーポレートサイト
今回のコラムでは、上記のコラムに書かれていないことについて触れますので、上記のコラムを先にお読み頂くと、より理解しやすいと思います。
目的を作って贈与しよう
生前贈与は主に親族間で発生しますが、相続と同じく「誰がいくら」という点でトラブルになりやすいです。
ですので、親族が皆、納得するように目的に合わせて贈与をすることをお勧めします。
孫の教育資金にする
孫の教育資金に充てる場合は、子に贈与するよりも、直接孫に贈与した方が良いケースがあります。それは贈与税の問題です。
例えば6,000万円を2人の子に3,000万円ずつ贈与しようとした場合、「相続時精算課税制度」の特別控除枠である「2,500万円」を超えてしまうので、贈与税が発生します。
ですのでこの場合は一般贈与とし、贈与税がかからないように毎年毎年いくら…という形で贈与をすることになります。
ただしこの方法ですと少々面倒なのと、被贈与側が万が一亡くなった場合に贈与ではなくなり、相続財産となります。
そうすると金額によっては当然、相続税がかかってくることになりますので、一般の方が対応するにはちょっと大変な状態になってきます。
でもお孫さんが計4人いて、それぞれに1,500万円ずつ教育資金として贈与する場合は一回で済みますし、贈与税もかかりません。
※ただし、この制度を活用するには被贈与側が60歳以上、贈与される側が20歳以上である必要がありますのでご注意ください。
住宅資金として贈与する
親などの直系卑属から住宅購入資金を受ける際に利用できる贈与税の特例制度として
- 相続時精算課税制度
- 住宅取得資金の非課税制度
の二種類があります。
これらの制度を利用するにはそれぞれ複雑な条件がありますので、専門家に確認した方が良いでしょう。
開業資金として贈与する時は要注意
会社を興す、開業するといった際には金融機関から融資してもらうほか、親族から調達するケースが多いです。
これを贈与としてしまうと金額によっては贈与税がかかってしまうので、この場合は「借り入れ」という形の方が良いかもしれません。
そしてこの場合は必ず、借りたことを証明するための借用書「金銭消費貸借契約書」を準備しておきましょう。
生前贈与は契約書を交わそう!
最後になりますが、生前贈与は実は口頭でも成立してしまうため、安易な約束をしてしまうと後々のトラブルに繋がりかねません。
ですので、きちんと目的を持って贈与し、契約書を作成してください。
金銭の問題は親族間で最もトラブルになりやすい。私たち法律事務所DUONは茨城県全域で、皆様の生活のご相談に乗りながら問題を解決しており、契約書の作成も行わせて頂いております。
相続、贈与についても数多く対応させて頂いております。初回相談料は無料ですので、お気軽にご相談ください。