相続前に不動産登記を確認するべき理由
被相続人が亡くなり、いざ相続する際に、不動産でトラブルになりやすいことがあります。
不動産は、相続財産の中でも特に大きな価値を占めることが多いです。
ですので、誰がどのように相続するかの問題が起きやすいのです。
名義人が古ければ古いほど問題は深く、複雑になってしまいます。
相続登記に期限がないことの危険
相続の際にはどうしても他の財産の後回しになりがちで、「父が亡くなった。しかし母がいるからとりあえずこのままにしておこう…」とついつい放置してしまう場合があります。
しかし
- この時は相続人同士の関係が良くても、その後相続人の中が険悪になった
- 相続人が離婚・再婚して、その相手が相続についてとても口を出してくる人だった
など、問題を放置した故に、その後の当該不動産の名義変更に支障が出てくることもあります。
遺言がない場合は,遺産分割協議が終了するまでは相続人全員の共有財産とみなされます。この不動産を誰かの名義にするのか分けるのか共有するのかもしくは売却するのかは、当然全員の合意がないと行うことができません。
この段階になって初めて「大変なことになった!」とご相談に来られる方がとても多いのです。
「父の名義だと思っていた」が実は…
そしてコラムでも度々触れていますが、名義が古かった場合の問題です。
既に他界している祖父の代から父が受け継ぎ、代々住み続けている土地と家屋。当然父の名義になっているだろう、と思ったら、実は祖父の名義のままだった…。というケースです。
分かりやすく家系図にしてみました。例えば、本来は父が亡くなり、その妻と3人の子が相続するはずだった…というケース。
これが名義が実は祖父だったという場合は、もちろん「父」の兄弟姉妹たちも相続人ですし、その兄弟姉妹たちが亡くなっていればその子たちにも相続権があります。
そして…ことを更に複雑にするのが、それ以外に相続人がいる場合です。
例えば祖父が若い頃に結婚し、離婚した子がいるケース。これが実はそう珍しいことではなく、彼らにも当然相続権があります。
祖父が名義人だったから名義変更しようと祖父の戸籍謄本を集めていくうちに、見慣れない人物の名前があった、または、知らない人が息子だと名乗り出てきたが実は本当らしい…ということもあります。
そうなると全員が寝耳に水で、すでに終わっていた遺産の分割まで問題が起きてしまったりと、裁判手続きまでに事態が発展してしまうこともあります。
「名義が古かった」場合は特に気をつけて
このように、期限がないからといって放置していると、名義が古ければ古いだけ相続人も多くなり、そして煩わしいトラブルもどんどん増えてしまいます。
まだ相続の段階でなくても、事前に名義を確認しておくことが望ましいでしょう。
弁護士法人法律事務所DUONでは、このような問題を防ぎ、また解決するために、皆様のご相談に乗っております。
茨城県で不動産や相続の問題がお困りでしたら、ご遠慮なくご連絡ください。初回相談料は無料とさせて頂いております。